同棲を始めるときに家具を総入れ替えして、もう3年になる。ソファもダイニングテーブルも棚も、あのとき知恵袋やレビューを読み漁って選んだお気に入りばかり。なのに、引っ越して最初の半年くらい、部屋の写真を撮るとなんだかショールームみたいで落ち着かなかった。原因は単純で、緑が一切なかったからだった。
観葉植物は水やりが面倒でハードルが高かったので、まず置いたのが100円ショップの多肉植物だった。これが思いのほか部屋に馴染んで、そこから棚の上や窓際にちょこちょこ増えていった経緯がある。今回は、その多肉植物を「部屋を素敵にする道具」として使う視点でまとめてみたい。
多肉植物がインテリアに向いている理由
多肉植物のいいところは、とにかく主張しすぎないサイズ感だと思う。大きな観葉植物みたいに部屋のレイアウトを変える必要がなく、棚の隙間や窓際の10cm四方くらいのスペースにポンと置けてしまう。
しかも品種によって葉の色や形がまったく違うので、ナチュラル系の木の家具にも、無機質なグレーの棚にも合わせやすい。うちはウォールナット調の家具が多いけれど、丸みのあるエケベリアを素焼き鉢に植えるだけで、急に「生活してる部屋」の空気になった。水やりの頻度も低いので、共働きで家を空けがちなうちのペースにもちょうどよかった。
初心者向けの増やし方:葉挿しとペットボトル法
多肉植物は増やし方を覚えると、1鉢が数か月でずらっと並ぶくらいに増える。うちで実際にやっている方法は2つ。
葉挿しは、茎についている葉を根元からポロッと取るだけ。ここでコツがあって、葉の断面が少しでも欠けたり千切れたりすると発根しないことが多いので、指でつまんで丁寧に取るのがポイントだった。取った葉はそのまま土に置かず、まず1日ほど切り口を乾かしてから、土の上に転がすように並べておく。2週間〜1か月ほどで根と小さな芽が出てくるので、そこまで待ってから浅く植え付ける。
ペットボトル法は、挿し木用の茎をより早く発根させたいときに使っている。ペットボトルの上部を切り、下から4分の1くらいの高さまで水を入れて、切った上部を逆さに差し込んでミニ温室のようにする方法。中の湿度が保たれるので、乾燥に弱い時期でも安定して根が出やすい。挿し穂は切り口を少し乾かしてから差し込むのがコツで、ここは葉挿しと同じ理屈だと思う。
棚や窓際でのディスプレイ、家具との合わせ方
増えた苗をどう飾るかが、実はいちばん楽しい部分だったりする。うちでは、リビングの飾り棚の一角に高さの違う鉢を3つほど並べて、ミニ盆栽コーナーみたいにしている。背の高い家具の上に置くと視線が上に抜けて部屋が広く見えるし、逆に低いサイドテーブルに置くと座ったときの目線にちょうど緑が入ってくる。
窓際は日当たりがいい分、多肉植物にとってもベストポジション。カーテンレールの下あたりに麻ひもで吊るす鉢を1つ足すだけで、平面的だった窓辺に奥行きが出る。鉢そのものも、素焼き・ブリキ・木製トレーなど質感を変えると、家具のテイストに合わせて統一感を出しやすい。収納棚に元々ある小物置きスペースに1鉢忍ばせておくのも、地味だけど効果が大きい。
部屋の印象は、緑ひとつで変わる
家具を一新したときは満足していたのに、なんとなく物足りなさが残っていたのは、多分「暮らしている痕跡」が足りなかったからだと思う。多肉植物は水やりも手間もほとんどかからないのに、棚の上に1つ置くだけで部屋の温度感がぐっと上がる。しかも自分で増やせるので、気に入った品種を少しずつコレクションしていく楽しみもある。
殺風景だなと感じている棚や窓際があれば、まずは100円の苗を1つ置いてみるところから始めてみてほしい。
多肉植物ばかり増えたのは、観葉植物を何度も枯らした反省もある。水やりで失敗した経験は観葉植物が枯れるのは水のあげすぎだった|3年で学んだ「かわいがりすぎ」の正体にまとめたので、心当たりがある人は読んでみてほしい。